葉の上にあるカプセル

近年、日本国内で10~20代の若い女性を中心に感染者が増加して問題になっている性病にクラミジアがあります。クラミジアはクラミジアトラコマティスと呼ばれる細菌に感染して起こる病気で、病原菌が泌尿器・生殖器以外にも喉・直腸・眼の粘膜にも感染して炎症を引き起こす場合があります。最新の報告によれば18~19歳の女性の3割が、20代の女性でも15%の人がクラミジアトラコマティスに感染しています。クラミジアトラコマティスは、日本国内で感染者数が一番多い性病です。

女性がクラミジアに感染して発病すると、初期症状として子宮頸管炎を発症します。治療をせずに放置すると病原菌が生殖器の奥の方まで拡大し、子宮内膜炎や卵管炎が起こります。妊娠中の女性が子宮内膜炎になると、流産や早産のリスクが高まってしまいます。卵管炎を発症すると卵管が癒着して狭くなり、病気が完治しても不妊症の後遺症が残ってしまう場合があります。重症化すると骨盤腹膜炎や肝周囲炎を起こし、命を落としてしまう恐れがあります。

女性がクラミジアに感染をすると炎症が起こり、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱くなってしまいます。このため、性行為などの際に他の細菌やウイルスに感染しやすくなってしまいます。女性がクラミジアを発症すると、HIVの感染率が4~5倍になるというデータも存在します。他の性病を併発すると治療期間が長くなったり、副作用の強い治療薬を使用しなければならなくなる場合があります。

クラミジアは病原菌の量が多いと炎症を起こしますが、女性の場合は発症しても自覚症状が出にくいので感染が拡大しやすい性病のひとつです。クラミジアは男性の感染者で約半分、女性の約8割が無症状で、長年にわたり病気に気づかずに保菌した状態で過ごす人も少なくありません。男性の場合は感染後に尿道炎を発症して排尿痛などの初期症状が出る場合がありますが、排尿時にだけ違和感を感じる程度なので気づかないケースが多いです。クラミジアトラコマティスは感染しても長期間にわたり発症しないケースが多いのですが、無症状であっても感染力があるので性行為などによって他の人に伝染させてしまう恐れがあります。クラミジアは男女ともに感染しても自覚症状がない期間があるので、これが感染者数が多い原因のひとつです。

クラミジアに感染しても、自覚症状が出ない状態が何年も続く場合があります。自覚症状がなくても保菌状態が続き、他の人に感染させてしまう恐れがあります。保菌状態で治療をせずに放置し続けても自然治癒することはなく、何らかの原因で免疫力が低下したり他の性病に感染をした際などに発症します。

クラミジアの主な感染経路は性行為で、感染者の分泌物が相手の人の性器・喉・直腸などの粘膜に触れることで病原菌が伝染します。クラミジアトラコマティスは性器や泌尿器以外の粘膜でも感染して増殖をすることから、感染力が強いという特徴があります。クラミジアトラコマティスは感染力が強く、1回の性行為でもうつる可能性があります。喉や直腸などの性器以外の接触でも感染をすることから感染経路の種類が多く、妊娠の恐れがないという理由でオーラルセックスの際に避妊具を使用しないことが原因で感染をしてしまうケースも少なくありません。

クラミジアトラコマティスは宿主の細胞でしか増殖ができないので、水中や空気中に出るとすぐに死滅してしまいます。このため保菌者の血液や分泌液が他の人の粘膜と触れた場合にのみ伝染し、プール・温泉や飛沫感染の可能性は低いです。保菌者が使用した直後のタオルや公共トイレの便座を通して感染する可能性も考えられますが、日常生活で伝染をするケースは極めて稀です。クラミジアトラコマティスは性行為以外の感染経路で他の人にうつることはないので、温泉などの公共浴場を利用する際などに過度に心配をする必要はありません。

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